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今年もクリスマスの季節が近づいてきました。クリスマスといえば、華やかなクリスマスケーキを思い浮かべる方も多いでしょう。
では、このクリスマスケーキを食べる習慣は日本独自のものなのでしょうか?それとも海外でも広く楽しまれているのでしょうか?また、日本ではどのような経緯でクリスマスケーキが広まったのかも気になるところです。
この記事では、クリスマスケーキの意味と歴史、国ごとの風習の違いについて詳しく解説いたします。
クリスマスケーキの意味
ここでは、クリスマスケーキの意味について解説いたします。
クリスマスケーキの意味
クリスマスケーキには、「イエス・キリストの誕生を祝うためのケーキ」という本来の意味と、結婚に関する俗説として語られる“クリスマスケーキ理論”(25歳を過ぎると価値が下がるとされる考え方)の2つの側面があります。
イエス・キリストの生誕を祝う意味
クリスマスケーキは、イエス・キリストの誕生を祝う目的で用意される特別なケーキとして始まったとされています。
結婚に関する俗説(クリスマスケーキ理論)
かつては「25歳を過ぎると結婚しにくくなる」という考え方が広まり、クリスマスケーキになぞらえた俗説が存在しました。
クリスマスは特別な行事であり、イブを過ぎると売れ残ったり値下げされたりするケーキになぞらえて、25歳を過ぎた女性は結婚相手を見つけるのが難しくなる、といった例えが用いられていたのです。
もちろんこの考え方は現代の価値観とは大きく異なり、現在では時代にそぐわない偏見として受け止められています。
日本におけるクリスマスケーキの歴史
日本におけるクリスマスケーキの歴史について紹介いたします。
●明治時代(1910年)
不二家がプラムケーキに砂糖衣を施した商品を販売したことから始まります。
●大正時代(1922年)
不二家の創業者の藤井林右衛門氏が渡米し、現地で親しまれていたショートケーキを日本人の嗜好に合わせて改良し、スポンジケーキとして提供しました。これが現在のクリスマスケーキの原型となっています。
●昭和時代(1952年)
不二家が初めてクリスマスセールを実施し、戦後の高度経済成長期にはデパートの販売促進や広告展開が後押しとなり、「クリスマスにケーキを食べる」という習慣が一気に浸透しました。
いちごの赤と生クリームの白の組み合わせが日本人に馴染み深い“紅白”を連想させたことも人気の要因とされます。いまやクリスマスケーキは、家族や恋人、友人との時間を彩る、日本の年末の風物詩として欠かせない存在となりました。
世界のクリスマスケーキ
日本では、クリスマスにケーキを購入したり手作りしたりして祝う光景が一般的ですが、「これは世界でも同じなのだろうか」と感じたことはありませんか。
近年は多様なスタイルが見られるようになったものの、クリスマスといえば、いちごを飾った生クリームの白いケーキが今も日本の定番です。海外でもケーキでクリスマスを祝う地域はありますが、その土地ごとに定番となるケーキの種類は異なります。
ブッシュ・ド・ノエル(フランス)

ブッシュ・ド・ノエル
フランスのクリスマスには「ブッシュ・ド・ノエル」と呼ばれるケーキが定番で、日本でもクリスマスの人気スイーツとして広く知られています。ブッシュはフランス語で「薪」や「切り株」を、ノエルは「クリスマス」を表す言葉です。
木の形を模した理由にはいくつか説がありますが、もっとも有力とされるのは、キリストの誕生を祝う際に暖炉へ薪をくべ続け、火を絶やさず燃やした習慣に由来するという説です。
シュトーレン(ドイツ)

シュトーレン
近年、日本のパン屋でも見かける機会が増えたドイツ発祥の「シュトーレン」は、洋酒に漬けたドライフルーツをたっぷり練り込んだ、甘く細長いパン菓子です。
シュトーレンという名称はドイツ語で「坑道」を意味し、トンネルのような外観に由来するといわれています。さらに、表面に厚く振りかけられた粉砂糖は、生まれたばかりのキリストが包まれていた産着を象徴するとも考えられています。
パンでありながら保存性が高いため、ドイツでは菓子やケーキとして楽しむのが一般的です。
パネトーネ(イタリア)

パネトーネ
イタリアでは、ミラノ発祥の伝統菓子「パネトーネ」をクリスマスに味わう習慣があります。レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツをたっぷり練り込んだ、ふんわりと甘いドーム型のパン菓子です。少しずつ切り分けながら、クリスマスまでの期間にゆっくり楽しむ点は、ドイツのシュトーレンとよく似ています。
クリスマスプディング(イギリス)

クリスマスプディング(画像引用元:ウィキペディア)



