
写真はイメージです
熊手は「運や利益を逃さず集める」という願いを込めた縁起物であり、商売繁盛・家内安全・五穀豊穣・開運をまとめて表す象徴です。
しかし、「熊手を飾る位置や向きに決まりがあるのか?」、「運気を高める飾り方」、「固定する際の方法」など、わからないという方も少なくありません。
この記事では、熊手をどこに置くと良いのか、福を招くためのポイント、引っ越しの際の扱い方まで含めて、詳しく解説いたします。
熊手を飾るのによい場所はどこ?
酉の市やえびす様の行事、お正月などで「熊手」を求める方は少なくありません。熊手は商売繁盛や開運招福をもたらす縁起物とされ、幸運や金運をかき集める願いを込めて、宝船や大判・小判・千両箱、おかめの面などが飾られています。特に商売に携わる人々にとっては欠かせない存在とされ、熊手の大きさが大きいほど繁盛につながるとも伝えられています。
また、商売を営む方に限らず、熊手は家内安全や恋愛成就、健康、勝運など、多様な願いを支える縁起物として広く親しまれています。
熊手を飾る場所は?
縁起の熊手は、どこに飾ると最もご利益が得られるのか気になる方も多いでしょう。一般的に熊手は「低い位置ではなく、目線より高い場所に飾るのが良い」とされています。サイズにもよりますが、神棚があるご家庭では神棚にお祀りすることが多いようです。特に神社から授かった熊手であれば、お札と同様に扱い、清浄な神棚に安置するのが自然な方法です。
とはいえ、最近ではご家庭に神棚を設けていない場合も増えています。神棚がない場合や、賃貸・マンションなどで設置が難しい時は、玄関や家族が集うリビング、タンスや棚の上などに飾っても問題ありません。特に「玄関は福を招き入れやすい」と考えられており、玄関の目線より少し高い位置に熊手を飾るご家庭も多く見られます。
室内で飾る場合は、住まいの中心となる位置や、鴨居、柱などのやや高い場所に掛ける方法も適しています。ただし、熊手は高所に飾るのが良いとされるものの、天井に密着させるような設置は避けましょう。周囲に空間を持たせることで風の通りが生まれ、運気の巡りも整うと考えられています。
熊手を飾る際の基本は、頭より高い位置に置くことです。
熊手を高い位置に飾る場合、普段は掃除が行き届かないこともありますが、熊手を置く前に周囲をしっかりと整えて清潔な状態にしておきましょう。神様は清らかな場所を好むと考えられています。飾る際は熊手の下に半紙を敷くなどし、周囲を整えることをおすすめします。
設置後もほこりがたまらないよう、日頃からこまめに掃除を心がけてください。
熊手を仏壇に飾るのはNG?
仏様をお祀りする仏壇に熊手を飾るご家庭も珍しくありません。
仏壇も神棚と同じく神聖な場所とされているため、熊手を安置しても問題はありません。
●熊手を飾る場所
・神棚や仏壇などの神聖な場所 ・玄関付近 ・家族が集うリビングなどの共有スペース ・住まいの中心にあたる位置 ・鴨居の上部 ・柱の高めの位置 ・タンスや棚の上部 |
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熊手を飾る方角について

写真はイメージです
熊手を飾る方角にはさまざまな説がありますが、一般的には熊手の正面を北に向けて設置するのは避けた方が良いとされています。
北向きを避ければ、東・西・南のいずれの方角でも問題ありません。
玄関に飾る場合は、入口の方向に向けて、目線よりやや高い位置に置くのがよいとされています。
熊手を飾る方角の意味について
運気を高めたい場合は、願う運気に合わせて方角を選び、熊手を配置する方法もあります。
●熊手を飾る方角の意味
・東:仕事運や社運、勝負運を高める方向 ・南:地位や名誉に関する運気を伸ばす方向 ・西:金運や財運を招くとされる方向 |
熊手を飾る方角をその年の恵方にする
熊手をその年の「恵方」に向けて飾ると、福を招くとされています。
恵方とは、歳徳神という神様がおわす方角を指し、節分の恵方巻で知られる「恵方」と同じ考え方です。
歳徳神は古くから親しまれている神様で、「年神様」や「正月様」とも呼ばれます。なお、恵方は年ごとに変わるため、その都度確認することが大切です。
恵方は年によって方角が変わります。

叶えたい願い事がある時はどの方角に向けて飾る?
特定の願いがある場合は、その願いを実現したい対象のある方向へ向けて熊手を飾ると、福を招くとされています。
たとえば受験生であれば、志望校の位置する方角へ熊手を向けて飾ることで、「合格」を呼び込む願意を持たせることができます。
熊手を飾る方角を途中で変えるのはNG?
熊手は願いを託す縁起物ですので、自分にとってしっくりくる場所に飾ることをおすすめします。
飾る位置や方角を変えても差し支えはありません。
また、引っ越しの際には一度取り外し、新しい住まいで改めて飾っていただいて問題ありません。
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熊手を飾る方法について
熊手を安定して立てかけられる場所があれば理想的ですが、重心が上部にあるためバランスが取りづらいことが多く、固定して飾る必要があります。
その際、ピンや画びょうを直接刺して留める方法は熊手を傷つけてしまうため避けましょう。
ここでは、熊手を傷つけずに飾るおすすめの方法を3つご紹介いたします。
| 熊手を傷つけずに飾るおすすめの方法 |
・熊手をペットボトルや瓶に差し込んで立てる方法 ・熊手に紐を通して吊るす方法 ・熊手を傷つけないよう針金で固定する方法 |
熊手をペットボトルや瓶に差し込んで立てる方法
ペットボトルの底を切り取った容器に熊手を差し込んで立てる方法があります。
しかしそのままでは軽く不安定なため、ビー玉などを重しとして入れて安定させます。ビー玉がない場合は、ペーパーウエイトや文鎮を利用して固定するのも有効です。
適当な瓶があれば、容器として使うこともおすすめで、瓶の場合は「塩」を重しとして入れると安定しやすくなります。
また、ペットボトルや瓶にはコピー用紙などの白い紙を巻き付けると見えにくくなり、見た目も整います。熊手を置いて飾る際は、前述の通り下に半紙を敷き、周囲を清潔に保つよう心がけてください。
熊手に紐を通して吊るす方法
熊手に紐を通し、飾りたい場所に取り付けた釘やフックに掛けて設置します。額縁を吊るすように、3点を三角形に結ぶ形で固定すると、より安定して飾ることができます。
熊手を傷つけないよう針金で固定する方法
飾り付けの際は、釘やフックに掛けられるよう、熊手に細い針金をしっかりと固定します。設置場所に釘やフックを取り付け、そこに針金を引っ掛けて安定させてください。
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まとめ

熊手は商売繁盛や開運招福のご利益があるとされる縁起物で、飾る際は低い位置を避け、目線より高い場所に置くのが良いとされています。
飾る場所としては、神棚や仏壇、玄関、リビング、住まいの中心部、鴨居、柱、タンスや棚の上などが適しています。
熊手の向きは北を避ければ東・西・南のいずれでも問題なく、途中で場所や方角を変えても差し支えありません。
ただし、ピンや画びょうで直接刺すと熊手を傷つけてしまうため避け、ペットボトルや瓶を利用して立てる、紐や針金で固定する方法がおすすめです。
願いを込めて、心地よいと感じる飾り方で運気を高めていきましょう。福が多く訪れることを願っております。