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訃報に接することは、いつでも心が痛むものです。あなたもこれまでに、お通夜やお葬式に参列して、故人とのお別れをされたことがあるかもしれません。
しかし、故人が遠方に住んでいたり、どうしても外せない予定があったりと、葬儀に参列できない場合もありますよね。そんな時は、お香典だけでもお送りして、哀悼の意を伝えたいものです。実は、お香典は手渡しでなくても郵送することが可能なんです。
「香典を郵送してもいいの?」と疑問に思う方もいますが、決して失礼にあたるものではありません。郵送であっても、きちんとお悔やみの気持ちを届けることができますのでご安心ください。
この記事では、お香典を郵送する際の方法や注意点を詳しくご紹介します。送るタイミング、宛名や送り先の書き方、お悔やみの手紙の例文もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
香典を郵送する時の宛名と郵送先について
香典を郵送する際には、主に次の2つの方法があります。
どちらの送り方も失礼にはあたりませんが、状況に応じて適切な方法を選ぶのがよいでしょう。
送付方法1:喪主宛で葬祭場に送る場合
亡くなった日程によっては、斎場の予約状況や六曜の関係で、お通夜が数日後になることがあります。
このように、葬儀までにある程度の日数がある場合には、お香典を斎場宛てに送ることが可能です。
ただし、葬儀当日までに香典が届かないと受け取れないこともあるため、送付するタイミングには注意が必要です。日程に十分な余裕がある場合に限り、斎場宛ての郵送を検討しましょう。
お香典を郵送する際は、現金書留を利用します。通常は、発送した翌日または翌々日に配達されますが、送り先が遠方であったり、悪天候(積雪など)によって遅延する場合がありますので、余裕を持って手続きすることが大切です。
時間的に余裕がある場合は、配達日を指定しておくと安心です。郵便局によると、翌々日以降であれば日付指定が可能とのこと(ただし、時間帯の指定は不可)。実際に利用する際は、送り先の地域を伝えたうえで、念のため郵便局で再度確認するようにしましょう。
訃報を受ける際には、お通夜や葬儀の日程、斎場の場所などの詳細もあわせて伝えられることがほとんどです。お香典を斎場へ送る場合は、喪主宛で送るか、気付(きづけ)として斎場名を添えて送る方法があります。
喪主宛で送付した場合は、基本的に喪主本人が受け取る必要があります。一方で、「気付」を使うと、斎場のスタッフが代わりに受け取ってくれる場合があります。
ただし、斎場によっては「気付」での受け取りに対応していない場合もあるため、事前に電話で確認しておくことをおすすめします。
送付方法2:喪主宛で自宅住所に送る場合
お通夜がその日のうちに執り行われる場合、斎場へ香典を郵送しても間に合いません。その際は、葬儀が終わって落ち着いた頃に、喪主の自宅宛てに直接郵送する形をとりましょう。
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香典を郵送するタイミングについて
前述のとおり、斎場へ郵送するタイミングが合わない場合は、喪主の自宅宛てに香典を送ることになります。
「一刻も早くお悔やみの気持ちを届けたい」と感じる方が多いと思いますが、葬儀直後は喪主側も慌ただしい時期です。そのため、葬儀が終わって2〜3日後を目安に発送するのが良いでしょう。少し時間を置くことで、相手にも受け取る余裕ができます。
ただし、あまり遅くなりすぎないよう注意が必要です。喪主はいただいた香典を確認し、香典返しの準備を進めます。香典返しの手配が終わった後にあなたの香典が届くと、手間を増やしてしまうことになります。相手への負担を考慮し、できるだけ早めに送付するよう心がけましょう。
お香典を郵送する方法は?
香典を郵送する際には、必ず現金書留を利用します。
香典を郵送する際は、現金書留用の封筒に、香典袋とお悔やみの手紙(または挨拶状)の2点を同封し、郵便局から発送します。現金書留封筒はやや大きめのサイズのため、一般的な香典袋であれば問題なく収まります。ただし、水引が立体的なものや、香典袋自体が大きめの場合は封筒に入らないことがあるので、事前にサイズを確認しておきましょう。
現金書留を発送する際には、以下の情報を記入する必要があります。
- 相手の住所・名前・電話番号
- 印鑑(シャチハタ可)手書きサインでも可
封をする際に割り印を押すため印鑑が必要ですが、印鑑がない場合はサインでも問題ありません。
封筒の書き方に不安がある場合は、窓口の郵便局員に相談すれば丁寧に教えてもらえますので、安心して対応してください。
とはいえ、平日は仕事で忙しく、郵便局に行く時間が取れない方も多いでしょう。
そのような場合は、土日祝日や夜間にも対応している「ゆうゆう窓口」が便利です。大きな郵便局には設置されていることが多いので、近くにあるかどうか一度調べてみてください。
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同封するお悔やみの手紙の例文
香典を郵送する際は、必ずお悔やみの手紙も添えるようにしましょう。
便箋1枚程度に丁寧な言葉で書き、封筒には入れずに香典袋とともに現金書留用封筒へそのまま同封して構いません(もし不安な場合は、郵便局で確認してみてください)。
手紙には、次のような内容を盛り込みましょう:
- 訃報を知った際の驚きと哀悼の意
- 故人へのお悔やみの気持ち
- 香典を同封した旨
- ご遺族への気遣い
お悔やみの手紙は、伝えたいことが多ければ多少長くなっても構いませんが、簡潔な文章でも十分気持ちは伝わります。
便箋は、華美なデザインを避け、落ち着いたシンプルなものや一筆箋を選ぶと良いでしょう。
【例文1】
○○様のご訃報に接し、大変驚いております。
ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかと、胸が締め付けられる思いです。
遠方におりますため、直接お悔やみを申し上げることができず、失礼をお許しください。
ささやかではございますが、同封いたしました香典をお納めいただければ幸いです。
故人様のお好きだったものへのお供えなどにお使いください。
どうかお体にお気をつけてお過ごしくださいませ。
心より故人のご冥福をお祈り申し上げます。
【例文2】
突然のご訃報に接し、深い悲しみに包まれております。
お元気なお姿をもう拝見できないとは、未だに実感が湧かず、心が追いつきません。
本来ならば葬儀に参列し、直接お別れを申し上げるべきところではございますが、
やむを得ない事情により叶わず、誠に申し訳なく存じます。
同封いたしましたものは、ささやかな気持ちではありますが、
故人様がお好きだったお花などにお役立ていただければ幸いです。
大きな悲しみの中にあられることと存じますが、ご家族の皆様におかれましては、どうかご自愛くださいませ。
謹んで心よりお悔やみ申し上げます。
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まとめ

お通夜や葬儀に参列できない場合でも、お香典をお送りすることで、しっかりとお悔やみの気持ちを伝えることができます。ご遺族にとっても、故人を偲ぶあなたの心遣いは大きな支えとなるでしょう。
この記事で紹介したように、香典を郵送する際には守るべきマナーがありますが、大切なのは基本を押さえたうえで、あなた自身が納得できる形で故人をお見送りすることです。丁寧な気持ちと共に、心からのお別れを伝えてあげてくださいね。