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お正月に孫、甥、姪と顔を合わせる際には、お年玉を渡すことが多いでしょう。子どもがお年玉を受け取って見せる笑顔は格別ですが、毎年「誰にいくら渡すべきか」と悩む方も少なくありません。周囲との金額に大きな差が出ないよう、一般的な相場を把握しておくと安心です。
この記事では、孫、甥、姪などの子どもの年齢を基準にしたお年玉の目安額や、実際の金額を決める際の考え方、さらに渡すときに気をつけたいマナーについて、分かりやすくご紹介します。
お年玉の意味と由来
ここでは、お年玉の意味と由来について解説いたします。
お年玉の意味
お年玉は、新しい年の初めに子どもへ贈られる祝いの品であり、健やかな一年やさらなる成長を願う気持ちを形にしたものです。単なる金銭の授受ではなく、「今年も元気に過ごせますように」「努力が実を結びますように」といった励ましや期待を込めて渡されます。
近年は子どもの楽しみやお小遣い的な意味合いが強くなっていますが、本来は年頭に目上の者が目下に福を授けるという考え方が続いています。さらに、親族間の交流を深める契機となり、子どもがお金の価値や扱い方を学ぶ機会にもなる点も、お年玉の重要な役割です。
お年玉の由来について
お年玉の由来は、日本で古くから受け継がれてきた正月の伝統に根差します。
新年になると、歳神（としがみ）と呼ばれる神が各家庭に降臨し、その年の活力や恵み、そして五穀豊穣をもたらすと考えられていました。
人々は歳神に供えた鏡餅を家族で分け、それを「御年魂（おとしだま）」として子どもに授け、一年の健やかな成長と無病息災を願いました。
この習慣が時代とともに変化し、餅を配る代わりに貨幣を包んで渡す形へと移り変わります。その過程で贈る対象が子ども中心となり、今日のようにお金を手渡すお年玉の風習が広く定着したとされています。
お年玉は、何歳まであげる？
お年玉を何歳まで渡すかについては、厳密なルールは存在しません。
多くの家庭では、高校を卒業するまでや、大学・専門学校の修了をひとつの区切りとして考える傾向があります。
一方で、成人を迎えるタイミングを目安とするケースや、成人後でも在学中は継続して渡す場合、さらには社会人になってからも毎年贈り続ける家庭も見られます。
このように状況や価値観は家庭によって大きく異なるため、親族間の関係性やそれぞれの事情を考慮し、ご自身の考えや家族・親戚との話し合いを通して判断することが望ましいです。
孫、甥、姪のお年玉の相場はいくら？
孫、甥、姪といった子どもたちの年齢に応じて、どの程度のお年玉を渡すのが適切かについて、一般的な目安となる金額を下の表に整理しました。
年齢別お年玉の金額の相場
| 子供（孫・甥・姪など）の年齢 | お年玉の金額の相場 |
| 0歳～2歳 | 0円 |
| 3歳～6歳 | 500～1,000円 |
| 7歳～9歳（小学校低学年） | 1,000～3,000円 |
| 10歳～12歳（小学校高学年） | 3,000円 |
| 13歳～15歳（中学生） | 5,000円 |
| 16歳～18歳（高校生） | 5,000～10,000円 |
| 19歳～（大学生） | 10,000円 |
年齢ごとのお年玉の相場のポイントを詳しく解説していきます。
●0歳～2歳
0歳から2歳頃の子どもはお金の価値を理解できないため、この時期はお年玉を渡さないという家庭もあります。渡す場合でも、500円～1,000円程度のごく控えめな金額にとどめることが一般的です。もし高額を包むのであれば、それは子どもへのお年玉というよりも、育児を頑張る保護者へのねぎらいを込めたお小遣いに近い意味合いとなります。
●3歳～6歳
幼稚園や保育園に通い始める頃から、お年玉を渡し始める家庭が多く見られます。買い物ごっこなどを通じて金銭の概念を少しずつ理解し始める時期でもあるため、ちょうどよいきっかけになるといえます。金額の目安は500～1,000円程度で、場合によっては3,000円ほど包むこともあります。お金に関する考え方は保護者の方針も重要ですので、迷った際はあらかじめパパやママに相談しておくと安心です。なお、金銭ではなく、おもちゃや絵本など子どもの好みに合わせた品物を贈る方法も有効です。
●7歳～9歳（小学校低学年）
小学校低学年になると、お年玉の目安は1,000円～3,000円ほどに移ります。幼稚園や保育園の頃に1,000円を渡していた場合、小学校入学をきっかけに3,000円へ増額することもあります。複数の孫へ渡す際には、それぞれの金額に差が出すぎないよう、他の孫とのバランスも踏まえて決めることが大切です。
●10歳～12歳（小学校高学年）
小学校高学年になると、お年玉の金額を3,000円程度に設定する家庭が増えてきます。自分でお小遣いを管理したり、友人と外出する機会が増えたりするため、お金の使い方を学ぶ時期でもあります。そのため、小学5〜6年生には5,000円ほど渡したいと考える人も珍しくありません。孫や甥・姪の成長状況を見ながら、保護者とも相談して適切な金額を決めるのが安心です。
●13歳～15歳（中学生）
中学生になると、お年玉として5,000円を包む家庭が増えてきます。貯金を始めるケースや、友人同士で出かける機会が増えることを踏まえ、ある程度まとまった金額にすることが多いようです。なお、「4」は忌み数とされるため、4,000円は避けたほうが無難です。また、日頃の勉強や部活動を応援する気持ちを込めて、1万円を渡す例もあります。中学生には高額だと感じるかもしれませんが、お正月という特別な行事に合わせて、特別感を持たせるのも一つの考え方です。
●16歳～18歳（高校生）
高校生になると、お年玉の目安を10,000円に設定する家庭が多くなります。活動範囲が広がり、交通費や交友費など出費の機会が増えるためです。もちろん5,000円に抑えるケースも問題ありません。これまでの渡し方や金額の流れ、ほかの孫とのバランスなどを考慮しながら、無理のない範囲で決めることが大切です。
●19歳～（大学生）
大学生になると、お年玉を渡さない家庭も増えてきますが、渡す場合の目安は1万円程度とされることが多いようです。ご自身の経済状況や、孫・甥・姪との距離感などを踏まえたうえで、どのようにするか判断すると良いでしょう。
お年玉を渡すときのマナー
ここでは、お年玉を渡すときのマナーについて解説いたします。
袋の書き方とお札の入れ方
お年玉を渡す際には、名刺ほどの大きさの祝儀袋である「ポチ袋」を使うのが一般的です。年末になるとスーパーのレジ横などに多く並びますので、子どもの好みに合うキャラクター柄やデザインを事前に選んでおくと、当日慌てずにすみます。
記載方法は、表面の左上に受け取る子どもの名前、裏面の左下に贈り主の名前を書くのが基本です。また、できる限り新札を用意し、折れや汚れのない紙幣を選ぶことで丁寧な印象になります。お札は肖像が上向きになるように整え、三つ折りにしてポチ袋へ入れるのがマナーです。
縁起のよくない数字は避ける
お年玉の金額を考える際には、「4」や「9」といった縁起の悪い数字を避けるのが一般的なマナーです。「4」は「死」、「9」は「苦」を連想させるためとされています。
その一方で、「1」「3」「5」のような割り切れない数字や、末広がりを意味する「8」は縁起が良いとされ、金額として選ばれることが多いです。こうした心遣いは受け取る側への思いやりにもつながり、より温かな気持ちを込めたお年玉になります。
目上の人の子どもには渡さない
お年玉は、基本的に自分の子どもや親族、親しくお付き合いのある家庭の子どもへ渡すものとされています。
自分の親や勤務先の上司の子どもに現金を贈ることは、一般的な慣習から外れるため注意が必要です。これは風習の由来に関係しており、もともとは新年の祝いとして、家長が目下の者へ、店主が従業者へ、師匠が弟子へと授ける形式が根付いていたことに起因します。
そのため、会社の上司や先輩のお子さまには現金ではなく、お年賀としてお菓子や小さなおもちゃ、ギフトカードなど気軽に受け取れる品物を選ぶのが適切です。
まとめ
お年玉は、基本的に自分の子どもや親族、親しくお付き合いのある家庭の子どもへ渡すものとされています。
自分の親や勤務先の上司の子どもに現金を贈ることは、一般的な慣習から外れるため注意が必要です。これは風習の由来に関係しており、もともとは新年の祝いとして、家長が目下の者へ、店主が従業者へ、師匠が弟子へと授ける形式が根付いていたことに起因します。
そのため、会社の上司や先輩のお子さまには現金ではなく、お年賀としてお菓子や小さなおもちゃ、ギフトカードなど気軽に受け取れる品物を選ぶのが適切です。
