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警察官（けいさつかん）は、人々の生命や身体、財産を守ることを使命とし、犯罪の未然防止や捜査、交通の指導・取締り、社会の安全と秩序を維持する役割を担う公安職の公務員です。所属は、警察庁に属する国家公務員と、都道府県警察に所属する地方公務員に分かれます。業務内容は、地域を巡回する交番勤務をはじめ、交通違反の取締り、刑事事件の捜査、サイバー犯罪への対応、テロ対策など多方面に及び、非常に幅広い分野で活動しています。
警察官になるために必須の学歴要件はありません。ただし、日本の警察官採用試験では、区分ごとに目安となる学歴が設定されています。
警察官に必要な学歴の目安
●高卒程度（警察官Ⅲ類など）
・高校卒業、または同程度の学力があれば受験可能です。
・最も一般的な受験区分で、多くの警察官がこの枠から採用されています。
●大卒程度（警察官Ⅰ類など）
・大学卒業、または卒業見込みが対象です。
・法律・行政・幹部候補としての資質が期待される区分です。
●短大・専門学校卒程度（警察官Ⅱ類など）
・短期大学や専門学校を卒業、または見込みの人が対象です。
・都道府県によって区分の名称や扱いは異なります。
学歴より重視されるポイント
警察官採用では、学歴以上に以下のことが重視されます。そのため、高卒でも努力次第で十分に警察官になることが可能です。
・筆記試験の成績
・体力試験
・適性検査
・面接
警察官の年齢制限は？何歳から何歳までなれる？
警察官の年齢制限の目安
警察官になるための年齢制限は全国一律ではなく、都道府県警察ごとに異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。
下限年齢：18歳以上
（高校卒業程度の学力があることが前提です。）
上限年齢：30歳～35歳未満
（近年は人材確保のため、35歳未満まで引き上げている警察本部が増えています。）
採用区分別の一般的な年齢例
・高卒程度（Ⅲ類）：18歳～30歳前後
・短大・専門卒程度（Ⅱ類）：18歳～33歳前後
・大卒程度（Ⅰ類）：22歳～35歳未満
※区分名や年齢上限は、警察本部によって異なります。
警察官になるための必要資格は？
警察官になるために、あらかじめ取得しておかなければならない国家資格や免許は原則としてありません。ただし、採用試験や勤務上、事実上「必要」「有利」となる条件や資格があります。
警察官になるために必須の資格
警察官になるために特別な資格は不要です。
警察官採用試験は、以下の要件を満たしていれば、無資格でも受験可能です。
・学歴
・年齢
・身体条件
事実上必要とされる条件
●普通自動車運転免許
・多くの都道府県警察で必須または採用後に取得が必要とされています。
・パトロールや捜査活動で運転業務があるためです。
・採用時に未取得でも、「採用後〇年以内に取得」という条件が付く場合があります。
持っていると有利になる資格・免許
以下は必須ではありませんが、選考や配属で評価されやすい資格です。
●普通自動二輪・大型自動二輪免許
・白バイ隊員や交通部門で有利です。
●情報処理・IT系資格（ITパスポートなど）
・サイバー犯罪対策部門で評価されやすいです。
●語学資格（英検・TOEICなど）
・国際捜査や外国人対応で役立ちます。
●武道段位（柔道・剣道）
・警察学校の訓練や実務で強みになります。
●救命講習修了（普通救命講習など）
・現場対応力として評価されることがあります。
警察官になるまでの一般的な流れ
警察官になるまでの一般的な流れは、全国ほぼ共通しています。以下に分かりやすく整理してご説明します。
| 警察官になるまでの一般的な流れ |
| ➊ 受験資格の確認 ❷ 警察官採用試験への申込み ❸ 第一次試験 ❹ 第二次試験 ❺ 最終合格・採用内定 ❻ 警察学校へ入校 ❼ 現場配属・警察官として勤務開始 |
➊ 受験資格の確認
まず、志望する都道府県警察の採用案内を確認します。
年齢、学歴区分（高卒・大卒など）、身体条件、国籍要件などを満たしているかをチェックします。
❷ 警察官採用試験への申込み
各都道府県警察が実施する警察官採用試験に申し込みます。
申込みはインターネットが主流で、年に1～2回実施されるのが一般的です。
❸ 第一次試験
第一次試験では、主に以下が行われます。
・教養試験（一般知識・判断力など）
・論作文試験
・適性検査
筆記試験で基礎学力や思考力が評価されます。
❹ 第二次試験
第一次試験合格後、次の選考が行われます。
・体力試験（持久力・筋力・敏捷性など）
・面接試験（個別・集団）
・身体検査（視力・聴力など）
人柄や警察官としての適性が重視される段階です。
❺ 最終合格・採用内定
すべての試験を通過すると最終合格となり、警察官として採用内定を受けます。
その後、採用時期（4月・10月など）まで待機します。
❻ 警察学校へ入校
採用後は、各都道府県の警察学校に入校します。
法令、逮捕術、柔道・剣道、拳銃操法、規律訓練などを学びます。
期間はおおむね
・大卒：約6か月
・高卒・短大卒：約10か月
❼ 現場配属・警察官として勤務開始
警察学校修了後、交番や警察署に配属されます。
先輩警察官の指導を受けながら、地域警察官として実務経験を積みます。
まとめ
警察官になるために必要な学歴、年齢、資格、警察官になるためのステップについて解説いたしました。
警察官を目指すにあたっては、早めの準備と継続的な努力が非常に重要です。以下に、合格・採用につながる実践的なポイントを以下にまとめます。
① 志望動機を明確にする
面接では「なぜ警察官になりたいのか」「なぜその都道府県警察なのか」が必ず問われます。
社会貢献への思い、過去の経験、警察官として果たしたい役割を結びつけ、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
② 筆記試験対策は早めに始める
教養試験は、数か月の継続学習で得点を伸ばせます。
特に、文章理解、判断推理、数的処理は頻出分野のため、過去問演習を中心に対策すると効率的です。
③ 体力づくりは日常習慣にする
体力試験は短期間での対策が難しいため、
・ランニング
・筋力トレーニング
・ストレッチ
を日常生活に取り入れ、基礎体力を着実に高めることが重要です。
④ 規則正しい生活と自己管理を心がける
警察官は規律を重んじる職業です。
生活リズム、身だしなみ、時間厳守など、日常の行動も評価対象になり得ることを意識しましょう。
⑤ 面接対策は「人柄」を意識する
警察官に求められるのは、知識だけでなく誠実さや協調性です。
・落ち着いた受け答え
・相手の話をよく聞く姿勢
・嘘をつかず正直に話すこと
を心がけると好印象につながります。
⑥ 情報収集を怠らない
各都道府県警察の採用ページや説明会に参加し、
業務内容や地域特性を理解しておくことで、志望動機に説得力が増します。
