逮捕と書類送検の違い!流れと対応について徹底解説!!

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写真はイメージです

「逮捕されたらその時点で前科が付くのでは?」「書類送検されたらそこで事件は終了するのでは?」と考える方は多いですが、実際にはいずれも誤った認識です。

逮捕や書類送検は、刑事手続きのごく初期に行われる捜査段階の措置であり、有罪・無罪といった最終的な処分を意味するものではありません。

書類送検で済んだからといって放置してよいわけではなく、適切な対応を早期に取ることが非常に重要です。その後の生活へどれだけ早く戻れるか、さらには最終的に前科を避けられる可能性にも、大きな影響を与えることになります。

この記事では、逮捕と書類送検の違い流れどのような対応を取るべきかについて分かりやすく解説します。

 

逮捕と書類送検の違い

ここでは、逮捕と書類送検の違いについて解説いたします。

逮捕とは?

逮捕とは、犯罪の疑いがかけられた人物を対象に、その行動を制限する刑事上の措置を指します。

この手続きは、逃走を防いだり証拠が隠される事態を避ける必要がある場合に実施されるもので、すべての被疑者が必ずしも逮捕されるわけではありません。

たとえ違法行為が認められていても、逃亡の危険性や証拠隠滅の可能性が低いと判断される場合には、通常は身体拘束を伴う処分は行われないとされています。

 

書類送検とは?

書類送検とは捜査によってまとめられた事件の資料一式を検察へ提出する手続きのことです。

刑事事件では、まず警察が調べた内容を検察へと引き継ぎます。この引き継ぎ作業を「検察官送致(送検)」と呼び、事件は検察の判断に委ねられる次の段階へ移行します。

被疑者が逮捕されている場合には、その身柄もあわせて検察へ送られるため「身柄送致」となります。

一方で、逃走や証拠隠滅の危険性が認められず身体拘束が不要と判断されたケースでは、被疑者本人を拘束せず、捜査資料のみが検察に送付されます。これが一般に「書類送検」と呼ばれる措置です。

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逮捕と書類送検の判断基準について

犯罪の内容が悪質であったり、被害が大きかったとしても、それだけで逮捕の可否が決まるわけではありません。

逮捕を行うためには、法的に認められた逮捕の理由が存在し、さらに逃亡や証拠隠滅を防ぐ必要性があることが条件となります。

【逮捕の条件】
逮捕の理由(嫌疑の相当性)
目撃者の証言など、犯罪の存在を示す客観的な証拠が認められていること。

逮捕の必要性
住居が不明で所在確認が困難であったり、証人に圧力をかける行為があるなど、逃走や証拠隠滅の危険があると判断されること。

 

逮捕の理由(嫌疑の相当性)

被疑者を逮捕するためには、その人物が違法行為を行ったと判断できるだけの合理的な証拠が求められます。

単に「犯罪に関わっている可能性がある」という曖昧な推測では逮捕に踏み切ることはできず、一定の客観的証拠によって疑いが裏付けられていなければなりません。

 

逮捕の必要性

犯罪を示す証拠が揃っていても、逃亡や証拠を隠す危険が認められない場合には、身体拘束を行う必要性がないため、逮捕は実施できません。

たとえば容疑者に安定した職業や家庭がある犯行が比較的軽微で深く反省している前科や前歴がないといった状況では、逮捕の理由自体が存在しても、逮捕をする必要性が低いと判断され、不拘束のまま捜査が進むケースが多く見られます。

なお、事件の深刻さそのものは逮捕の可否に直接影響しませんが、有罪判決や実刑が強く予想されるような案件では逃亡や証拠隠滅の危険が高いとみなされやすく、その結果として重大な事件ほど逮捕へとつながる傾向があると考えられます。

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逮捕と書類送検どっちが重い?

逮捕と書類送検の違いは、主に被疑者が逃げる可能性や証拠を隠す危険性があるかどうかによって判断されるため、警察が送検する段階では、どちらが重い処分かを直接比較することはできません。

最終的な処分の重さは、検察官が起訴するかどうかの判断や、その後の刑事裁判における判決内容によって決定されます。

もっとも、逮捕された場合は一定期間の身体拘束が強制されるため、実生活への影響が大きい点では、逮捕は書類送検よりも負担が大きい措置といえるでしょう。

逮捕や書類送検で前科はつく?

逮捕や書類送検を受けただけでは、前科がつくことはありません。

これらの手続きの後、検察官が事件を起訴し、裁判で有罪と判断され、判決が確定して初めて前科となります。具体的には、死刑拘禁刑罰金刑拘留や科料の判決が確定した場合が該当し、執行猶予付きの判決であっても前科に含まれます。

日本の刑事手続では、起訴された案件の約99%が有罪になるとされており、逮捕や送検よりも、その後に起訴されるか否かが刑事処分において最も重要な分岐点となります。

前科を避けるためには、起訴を回避し不起訴処分を得ることが大切です。そのためには、弁護士の助言を受けながら、被害者との示談や再犯防止に向けた具体的な取組みを行う必要があります。

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書類送検後の流れと必要な対応について

被疑者の身柄を拘束せず、必要な際に呼び出して事情聴取を行いながら捜査を進めるケースを「在宅事件」と呼びます。

書類送検が行われると、捜査の主導権は警察から検察へ移り、以後の呼び出しや取調べは検察が中心となって実施します。

在宅事件の流れ
操作開始

書類送検

在宅起訴

刑事裁判

判決

➊~❸の期間は、自宅にいながら捜査を受けます。

 

➊操作開始

在宅事件では、警察が被疑者を逮捕せず、自由な状態のまま捜査が始まります。警察は任意の聴取や事情説明の要請を行い、電話・書面・出頭依頼によって調べを進めます。この段階では被疑者の身柄拘束がないため、仕事や学校、家庭生活を続けることは可能です。ただし、任意であっても、応じない場合は後に逮捕へ切り替わる可能性があります。

❷ 書類送検

警察の捜査がひと区切りつくと、事件記録(調書、証拠資料など)を検察庁に送る手続きが書類送検です。在宅事件の場合、身柄送致ではなく“書類のみ”送致されるため、被疑者は拘束されません。
この時点から捜査の主体は検察官へ移り、以後の呼び出しや取り調べは検察主導で行われます。

❸ 在宅起訴

検察官が証拠や事情を検討した結果、裁判が必要と判断すると「在宅のまま起訴」します。在宅起訴された場合も身柄は拘束されず日常生活を続けながら裁判を受けることになります。ただし、起訴された時点で有罪となる可能性は非常に高く、処罰の種類や量刑が争点になります。

 

❹ 刑事裁判

起訴後は、裁判所で刑事手続きが進みます。在宅事件の場合、保釈や拘留は不要なので、指定日に出廷し審理を受けます。裁判では以下が確認・議論されます。

・事実認定(犯行があったか)
・故意・過失の程度
・被害の有無や被害回復
・再犯可能性や反省状況

弁護士は弁護方針を立て、示談、反省状況、社会的背景を提示し、量刑の軽減や無罪を主張します。

❺ 判決

審理が終了すると、裁判所は判決を言い渡します。主な判決の種類は以下の通りです。

・無罪
・罰金刑
・懲役刑(執行猶予付き/なし)
・科料・拘留(軽微な刑罰)

判決が確定するとその結果が前科として扱われます。
※執行猶予付き判決でも前科はつきます

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逮捕後の流れと必要な対応について

逮捕は、本人の意思に反して身柄を拘束し、留置施設での生活を強いる手続きです。したがって、有罪判決が確定していない状態で人の自由を制限することになるため、拘束できる時間には厳格な制限が設けられています。

逮捕の流れ
逮捕

48時間以内

送致

24時間以内

勾留

▼ 10日間

勾留延長

▼ 10日間以内

起訴

▼ 約1ヵ月

刑事裁判

▼ 審理期間

判決

➊~❺ 最長で23日間、留置所や拘置所に留置される

➊ 逮捕

❷ 送致

警察は逮捕から48時間以内に、事件記録とともに被疑者の身柄を検察庁へ送ります(身柄送致)。
ここからは、捜査の主体が警察→検察へ移行します。検察官は被疑者を取り調べ、今後の処分(勾留請求・不起訴など)を判断します。

❸ 勾留

検察官が「さらに身柄拘束が必要」と判断した場合、裁判所に勾留請求を行います。裁判官が認めれば、最大10日間身柄拘束が可能となります。この期間、被疑者は留置場で拘束されたまま、検察官の取り調べなどが続きます。
※勾留の基準:逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれ、住所不定等。

❹ 勾留延長

勾留中に捜査が終わらない場合、検察官はさらに最大10日間の延長を申請できます。裁判所が認めると、勾留期間は合計最大20日間(10日+10日)となります。被疑者はその間、引き続き留置施設で拘束されます。

逮捕(最大48時間)+勾留(最大20日)= 最長約23日間 身柄拘束が可能

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