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消防士(しょうぼうし)は、火災や各種事故、自然災害などから地域の人々の生命と財産を守る役割を担う地方公務員です。
主な任務は消火活動にとどまらず、救急対応や救助活動、さらには火災を未然に防ぐための予防業務(査察・指導)や防災訓練の実施、火災原因の調査など、幅広い分野に及びます。
119番通報を受けると速やかに現場へ向かい、消防車や救急車、レスキュー隊として出動し、人命の救出と被害拡大の防止に全力を尽くします。公務員として安定した身分と給与を得ながら、専門的な知識と技術を磨き続ける職業です。
こ記事では、将来、消防士を目指す人のために、消防士になるために必要な学歴、年齢、資格、平均年収、消防士になるためのステップについて徹底解説いたします!!
消防士になるために必要な学歴は?
消防士になるために特定の学歴条件はありませんが、実際には以下のような学歴が一般的です。
●高校卒業
・最も一般的な学歴です。
・多くの消防本部で高卒区分の採用試験があります。
・卒業後すぐに受験可能。
●専門学校・短期大学卒
・消防・救急・防災系の専門学校出身者も多いです。
・消防知識や体力面で有利になる場合があります。
●大学卒業
・大卒区分での採用があります。
・将来的に幹部候補(司令・課長級)を目指しやすい傾向があります。
消防士の採用試験においては、学歴よりも以下のことが重視されます。
・体力・健康状態
・人物評価(面接)
・協調性・責任感
・地域への貢献意欲
消防士の年齢制限は?何歳から何歳までなれる?
消防士の年齢制限(目安)
日本の消防士になるための年齢制限は、自治体(消防本部)ごとに多少異なりますが、全国的なおおよその目安は以下のとおりです。
●消防士の下限年齢
・18歳以上
・高校卒業見込みの年から受験可能な自治体が多いです。
●消防士の上限年齢
・30歳前後までが一般的です。(多くは 30歳・31歳・32歳まで)
| 年齢制限がある理由
消防士は体力・持久力・瞬発力が強く求められる職業であり、長期的な育成・勤務を前提としているためです。 |
消防士になるための必要資格は?
消防士になるために必須の国家資格はありません。ただし、採用試験や業務で有利になる資格・条件があります。
応募時に必要な条件
●普通自動車運転免許
・必須または入庁後取得必須としている消防本部が多いです。
・AT限定可かどうかは自治体による。
●健康・身体条件
・視力・聴力・色覚・持久力などの健康基準を満たすこと。
・持病がある場合は事前確認が必要。
持っていると有利な資格
●大型自動車免許
・消防車・はしご車の運転に必要です。
・採用後に取得させてもらえる場合も多い
●中型・準中型免許
・普通免許より評価される場合があります。
●危険物取扱者(乙種・甲種)
・化学災害・危険物火災対応で役立ちます。
●潜水士
・水難救助部隊で活躍可能です。
●無線・電気系資格
・消防通信・設備管理で評価されることがあります。
消防士の平均年収は?
消防士の年収は、統計の取り方によって多少の差はあるものの、650万円から700万円前後が一つの目安とされています。
実際の収入は、勤務年数や階級・役職、さらに地域差によって大きく変わり、東京消防庁などの大規模組織では比較的高い水準になる傾向があります。
給与は初任給から段階的に昇給していく仕組みで、夜勤手当や賞与(ボーナス)も安定して支給されます。そのため、消防士は公務員として安定した収入が期待できる職業といえます。
●消防士の平均年収の目安
・全国平均:約650万~680万円
・初年度(大卒程度):約380万円~(月額約30万円)
・50代:600万~800万円前後(管理職ならさらに高額に)
消防士は、実務経験を重ねたうえで昇任試験に合格することで、係長や消防司令補、消防司令などの管理的な立場へと昇格していきます。こうした役職に就くことで責任は増しますが、その分給与水準も大きく上昇し、年収の大幅な増加が期待できます。
消防士になるまでの一般的な流れ
| 消防士になるまでの一般的な流れ |
| ➊ 情報収集・受験準備
❷ 消防士採用試験を受験 ❸ 最終合格・内定 ❹ 消防学校へ入校する ❺ 消防署へ配属 ❻ 現場経験・スキルアップ |
➊ 情報収集・受験準備
消防士を目指すにあたっては、まずはじめに以下のことを行います。
・志望する消防本部(市町村・都道府県)を決定します。
・募集要項を確認し、年齢・学歴・身体条件などの受験資格をチェックします。
・筆記試験(教養試験・適性検査)や体力試験、面接対策を進めます。
❷ 消防士採用試験を受験
各自治体が実施する消防職員採用試験を受験します。試験内容は以下の通りです。
・筆記試験(一般教養・適性検査)
・体力試験
・面接試験
・身体検査
❸ 最終合格・内定
すべての試験に合格すると最終合格となり、採用が内定します。採用時期は多くの場合、翌年4月です。
❹ 消防学校へ入校する
・採用後は消防学校に入校します。
・消防法規、消火・救助・救急、訓練、規律などを学びます。
・期間は約6か月~1年が一般的です。
❺ 消防署へ配属
・消防学校修了後、消防署や分署へ配属されます。
・消防隊・救急隊・救助隊などに分かれ、実務を通して経験を積みます。
❻ 現場経験・スキルアップ
・現場経験を積みながら、救急隊員資格などの専門資格を取得します。
・昇任試験を経て、班長・係長などへステップアップします。
まとめ

消防士になるために必要な学歴、年齢、資格、平均年収、消防士になるためのステップについて解説いたしました。
消防士になるためのポイントについて以下にまとめます。
POINT1:体力づくりは早めに始める
消防士は体力試験だけでなく、現場でも持久力・筋力・瞬発力が求められます。ランニング、懸垂、腕立て、スクワットなどを継続的に行い、基礎体力を日常的に鍛える習慣をつけましょう。
POINT2:志望動機は「人の役に立ちたい」だけで終わらせない
面接では、なぜその消防本部なのか、地域防災や救急活動にどのように貢献したいのかが問われます。地域の特性や消防本部の役割を調べ、具体性のある志望動機を準備しましょう。
POINT3:筆記・面接・体力をバランスよく対策する
どれか一つが突出していても合格は難しい傾向があります。教養試験、体力試験、面接対策を同時並行で進めることが合格への近道です。
POINT4:協調性と責任感を意識する
消防はチームで命を守る仕事です。部活動や仕事、ボランティアなどの経験を通じて、協力して行動した経験を言葉で説明できるようにしておきましょう。
POINT5:健康管理と生活習慣を整える
不規則な生活やケガは受験の大きなリスクになります。十分な睡眠、食事管理、ケガ防止を心がけ、万全の体調で試験に臨むことが重要です。
消防士は、厳しさの中にも大きなやりがいがある仕事です。「続けられる覚悟」と「地域を守る使命感」を持ち、地道な努力を積み重ねることが合格への一番の近道です。


