写真はイメージです
加湿器は冬場に特に便利な家電で、使い始める時期としては、空気が乾燥し始める秋口から冬にかけてが適切です。多くの場合、室内の湿度が低下し始める10月から11月頃に使い始める人が多いです。使用を終える時期については、春になり湿度が自然に上がり始める3月から4月頃が一般的です。この期間は、肌や喉の乾燥を感じやすいため、個々の環境に応じて加湿器の使用を調整することが大切です。
加湿器はいつから使う?
加湿器の使用開始時期については、気温が下がり、暖房器具を使い始める10月下旬から11月上旬が一般的です。たとえば、東京の場合、過去のデータによると、この時期の平均気温は涼しくなり始め、室内の空気も乾燥し始めるため、加湿器が必要とされることが多いです。この時期に加湿器を使い始めると、肌や呼吸器の乾燥を防ぎやすくなります。
昨年(2024年)の東京の10月と11月における平均気温について調査しました。この期間は一般的に気温が下がり始め、加湿器を使用するのに適した季節となります。具体的には、秋から初冬にかけての気候で、室内の空気が乾燥しやすいため、加湿器が必要になることが多いです。
●10月と11月の東京の平均気温
10月 22.7℃
11月 13.5℃
加湿器の使用を始める主な理由は、湿度の低下と空気の乾燥が進むためです。
なぜ、湿度が下がるのか?
なぜ、湿度が下がるのでしょうか?
それは、温度の変化が関係しています。
温度が上がると
→ 空気が保持できる水蒸気の量も増える。
温度が下がると
→ 空気が保持できる水蒸気の量は減少します。
この関係に基づいて、空気が保持できる水蒸気の最大量を飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)と言います。
飽和水蒸気量とは?
飽和水蒸気量とは、空気1立方メートルあたりに含まれる水蒸気の最大量をグラム単位で示したものです。
気温:30℃ → 飽和水蒸気量:30.3g/m3
気温:20℃ → 飽和水蒸気量:17.2g/m3
気温:10℃ → 飽和水蒸気量:9.39g/m3
秋から冬にかけて、気温が低下すると空気が含むことのできる水蒸気の量も減少します。室内では、加湿器を使用しない限り、水分量はほぼ変わらないため、暖房により気温が上昇すると湿度は自然と低下します。このようにして室内は乾燥することになります。このとき、空気中の水蒸気の割合を表すのが相対湿度です。
相対湿度とは?
相対湿度とは、特定の温度で空気が持つことができる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)に対する、実際に含まれている水蒸気量の割合を指します。この比率を用いて、空気の湿度がどの程度かを表すことが一般的です。相対湿度は特定の公式を用いて計算することができます。
もし室内の1立方メートルの空気中に4.695gの水蒸気が含まれている場合、室温が10℃の時に湿度は50%です。しかし、室温が20℃に上昇すると湿度は27%に下がり、空気は乾燥することになります。
10月や11月に気温が20℃以下になると、加湿器の使用を始めることが一般的です。この時期に気温が下がると、空気が保持できる水蒸気の量(飽和水蒸気量)も減少します。室内で暖房を使用すると気温は上がりますが、それに伴い湿度が低下し、結果的に空気が乾燥するためです。
加湿器は、いつまで使う?
加湿器の使用が必要な期間は、基本的に暖房を使う期間と連動します。この理由で、昨年(2024年)の東京の2月から5月までの平均気温を調査しました。これにより、春先にかけて暖房の必要性が減少するにつれて、加湿器の使用も少なくなる傾向が見られます。
●2月から5月の東京の平均気温
2月 8.0℃
3月 9.6℃
4月 17.1℃
5月 20.0℃
4月の平均気温が20℃未満であることから、5月に入ると平均気温が20℃に達することがわかります。このため、4月中は暖房の利用が続くことが考えられ、その間加湿器の使用も必要になるでしょう。結果的に、加湿器は4月までの使用が適切と言えます。
加湿器を使う湿度の目安は?
人々が快適と感じる湿度の範囲は、40%か〜60%とされています。しかし、室内の湿度は気温と違って自分で感じにくいものです。そのため、湿度計がない場合は購入を検討すると良いでしょう。
適切な加湿は健康に重要で、湿度が40%未満になるとインフルエンザウィルスが活発になるリスクがありますし、湿度が高すぎると結露やカビの発生につながることがあります。加湿器を使用する際は、室内の湿度を40%以上保つようにし、定期的に湿度の状況をチェックすることが推奨されます。また、室内の湿度に偏りがないかも確認することが大切です。
まとめ
この説明では東京の平均気温を例に挙げましたが、地域によって気温は異なるため、一概に全国共通とは言えません。また、寒さを感じる度合いには個人差がありますので、これを一つの基準として参考にしてください。さらに、室内の湿度は部屋の構造や広さなど、多くの要素によって影響を受けます。加湿器の性能や設置場所によっても差が出ますので、体に負担をかけないよう、使用する時期の選定に注意してください。