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3月3日は、ひな祭り、またの名を桃の節句と呼びます。ひな祭りには、雛人形を飾り、お子様の健やかな成長を願いますが、雛人形の名前や配置方法、段飾りの意味を詳しく知っていますか?ここで、雛人形の名前、並べ方、そして段飾りの意味を詳しく解説します。
雛人形の名前は?
雛人形の名前とそれぞれの役割について詳しくご紹介します。

親王と内親王
雛人形の主要な存在である親王(しんのう)と内親王(ないしんのう)は、お殿様とお姫様として中心的な役割を果たしています。これらの人形は、天皇と皇后の結婚式をイメージして作られ、正式には「親王」と「内親王」と称されます。
親王は、烏帽子、笏、太刀を携え、内親王は、桧扇を手にしています。これらのアイテムはそれぞれ、高貴な身分や権威を象徴しています。
特に、親王が持つ烏帽子は平安時代の高位の貴族を示す冠であり、笏は朝廷で使用される白い牛の角製の礼器です。太刀は武士のシンボルとして腰に差され、内親王が持つ桧扇は、顔を隠すために使用されるもので、桧の木から作られており、その清らかさと美しさを表現しています。
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三人官女
雛人形の二段目に配置される三人官女(さんにんかんじょ)は、お殿様とお姫様の側仕えとして重要な役割を担っています。彼女たちは、お酒を注ぐなどのサービスを行います。これらの女官は宮中で働く女性であり、天皇や皇后の日常生活や式典の支援を行うだけでなく、音楽、作法、その他教養を教える役割も担っています。彼女たちは、高い教養を持つ女官として知られています。
五人囃子
五人囃子(ごにんばやし)は、雛人形のセットの中で音楽演奏を担当する少年たちを指します。これらの少年は元服を迎える前の年齢で、おかっぱ頭に侍烏帽子を被り、各自が異なる楽器を手にしています。彼らの主な任務は、お殿様とお姫様の結婚式の場を音楽で彩ることです。
随身
随身(ずいじん)は、貴族の護衛を務める近衛府の官人として知られています。彼らは俗に左大臣や右大臣と称されますが、正式には近衛中将や近衛少将という名称が使われます。随身が身に着ける服装は闕腋の袍と呼ばれ、巻纓冠という特別な冠を頭にかぶります。さらに、彼らは儀式で使用される装飾的な儀仗の剣と儀仗の弓を携えています。これらの装備は、主に儀式用に用いられるものです。
仕丁
仕丁(しちょう)とは、平安時代以降に高位の人々の下で雑務を担った身分の低い者たちを指します。雛人形では、これらの仕丁は五段目に三人配置され、怒ったり泣いたり笑ったりする表情で描かれています。これは仕丁の多様な役割を象徴し、子どもたちが表情豊かに成長することへの願いを表しています。
仕丁が持つアイテムは地域や雛人形によって異なりますが、一般的には箒で掃除をしたり、ちりとりでゴミを拾ったり、熊手で落ち葉を集めたりします。また、立傘で雨から、台傘で日差しからお殿様やお姫様を守る役割も担っています。沓台は靴を置く台として、外出時の準備にも使用されます。
雛道具
雛人形の下段には、様々な雛道具(ひなどうぐ)が展示されています。これらは元々、上級武家の婚礼道具や嫁入り道具を模したもので、箪笥や長持、挟箱、鏡台、針箱などの室内用品が含まれています。これらのアイテムは、お姫様の日常生活や美を支える役割を持っています。さらに、お籠や牛車、重箱、桜橘などもあり、これらは通常、雛人形の六段目や七段目に二段に分けて配置されます。
武具
お殿様の武士としての身分や権力を象徴する武具(ぶぐ)が展示されます。これらのアイテムには、弓矢立、鎧兜、太刀、矢筒などが含まれており、お殿様の威厳と勇壮さを表現しています。これらの武具は、お殿様が武士であることの重要性を示す役割を担っています。
菱台
菱台(ひしだい)は、雛人形に用いるお供え物を置く台で、菱餅や桃の花などを飾るために使われます。この台は通常、2つ一組で用意され、それぞれに菱餅を2つずつ配置します。
菱台の設置場所は雛人形の段数によって異なり、三段飾りでは二段目の三人官女の両側、五段飾りでは四段目の随身の間、七段飾りでは四段目の右大臣や左大臣の中央に置かれることが一般的です。
また、菱餅を飾る際は、上からピンク(赤)、白、緑の順に重ねるのが通例です。これらの色は、それぞれ桃の花や魔除け、雪や残雪、新緑や新芽を象徴しています。菱台の適切な飾り方は、雛人形の全体の見栄えを良くする重要な要素です。
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雛人形の並べ方について
雛人形の並べ方は、使用する雛段の段数や雛人形のタイプによって変わりますが、一般的なルールが存在します。ここで説明するのは、よく見られる七段飾りの例です。
雛人形の配置は、通常、上の段から順に下へと進めていくものです。これは、飾る過程で下段の飾り物を損傷しないようにするための配慮です。
それでは、一段目から七段目までの配置を順に確認していきましょう。
雛人形の並べ方:一段目
一段目に配置される親王と内親王の位置は、地域によって異なる配置が一般的です。関東地方では、親王を向かって左側、内親王を右側に置くのが普通ですが、関西地方ではこの配置が逆になります。これは、関東では男性が家庭の家長として左側に座る習慣があり、関西では女性が家長として左側に座ることが多いからです。
また、お内裏様(男雛)とお雛様(女雛)の両脇には、ぼんぼりを配置します。ぼんぼりは雛人形の飾り付けにおいて、灯りとしての象徴的な存在です。
雛人形の並べ方:二段目
二段目には、お殿様とお姫様に仕える三人官女が飾られます。これらの官女たちは、それぞれ異なる道具を手にしています。
左側の官女は、お酒を入れる提子と呼ばれる容器を持っており、中央の官女は盃を置く三方という台を持っています。この中央の官女は、既婚者であり、眉を剃りお歯黒をしている特徴が見られることがあります。一方、右側の官女はお酒を注ぐための長柄銚子を持っています。
雛人形の並べ方:三段目
三段目には五人囃子が配置されます。
最も左側には太鼓を持つ囃子がおり、四拍子のリズムを担当します。隣には大鼓を持つ囃子が位置し、迫力ある音と共に掛け声も行います。その次には小鼓を持ち、様々な音色を提供する囃子がいます。四番目には笛を操る囃子が主旋律を奏で、最も右側には謡を担当する囃子が声楽と扇を使って雰囲気を高めます。
雛人形を飾る際は、太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡の順に左から並べて配置します。
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雛人形の並べ方:四段目
四段目には、お殿様とお姫様を護衛する随身が配置されます。雛人形においては、この随身は二人一組で飾られ、向かって右側には右大臣、左側には左大臣が置かれます。これらの随身は、弓と矢を持つことで護衛の役割を象徴しています。
雛人形の並べ方:五段目
五段目には、御所で雑用を担う仕丁が飾られます。仕丁の配置は、向かって右から笑っている人形、泣いている人形、怒っている人形の順で並べられます。各仕丁は異なる道具を持っており、右から立傘、沓台、台笠をそれぞれ手にしています。
これらの道具は、元来嫁入りの際に長距離移動に用いられたものです。仕丁には掃除道具の箒、ちりとり、熊手の他に、外出時に使用する立傘や沓台、台傘などを持たせることもあります。
雛人形の並べ方:六段目
六段目では、お姫様の嫁入り道具を象徴する雛道具が展示されます。これらの道具には、向かって右からお籠、牛車、重箱、桜橘などが含まれており、それぞれがお姫様の新生活を彩るアイテムとして配置されます。
雛人形の並べ方:七段目
七番目の段には、お殿様の威厳を示す武具を飾ります。
向かって右から、弓矢立(やなぐいだて)、鎧兜(よろいかぶと)、太刀(たち)、矢筒(やづつ)などを置きます。
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まとめ

雛人形の名前や配置、段飾りの意味をご紹介しました。
この風習は元々中国から伝わり、平安時代の上流階級の遊びとして始まり、室町時代には3月3日にこの習慣が定着し、現代に続いています。
7段飾りは豪華な見た目をしていますが、現代では、マンション向けのコンパクトなタイプも販売されており、雛人形は進化を続けています。さまざまなタイプが存在する雛人形ですが、それぞれが子どもたちの健やかな成長を願う点は共通しています。
これからも毎年、大切に飾りたいものですね。