エアコンの暖房を使用すると快適ですが、室内の乾燥は気になる問題です。
室内が乾燥してしまうと、肌荒れや喉の痛みが生じ、風邪を引きやすくなることがあります。
加湿器が必要かと考える方も多いでしょう。
しかし、加湿器の価格も高く、選び方に迷うことがありますね。
加湿器の購入を検討中の方に向けて、簡単にお部屋を加湿する方法をお教えします。
購入を決める前に、この方法を試してみるのも良いでしょう。
エアコンの暖房で室内が乾燥するのはなぜか?
まず、エアコンの暖房が室内を乾燥させるメカニズムについて理解しましょう。
乾燥とは、湿度が低下することを意味します。
乾燥=湿度の低下
ここでの湿度とは、空気中の水蒸気の量を指します。
その理由として、
空気の温度が上昇する
ことが挙げられます。
温度が上がるとなぜ乾燥するのか?
その理由は、空気が持つことができる水分量が温度に依存するためです。
この現象は飽和水蒸気量と呼ばれています。
温度が高くなるほど、空気はより多くの水分を含むことができますが、
温度が下がるとその能力は低下します。
これは非常に興味深い現象です。
空気中の水分量の比率を湿度といい、具体的には相対湿度と称します。
室内の温度が上昇しても、実際の水分量が変わらないため、相対湿度は低下するのです。
例)仮に飽和水蒸気量を10とした場合
(気温が低いとき)
飽和水蒸気量 ⇒ 10
水蒸気量 ⇒ 5
※この場合、水蒸気量/飽和水蒸気量 = 5 ÷ 10 = 50%
湿度は、50% となります。
気温が上昇すると飽和水蒸気量も増加しますが、水蒸気の実際の量は変化しません。
(気温が高いとき)
飽和水蒸気量 ⇒ 15
水蒸気量 ⇒ 5
※この場合、水蒸気量/飽和水蒸気量 = 5 ÷ 15 = 33%
湿度は、33% となります。
湿度は下がってしまう
その結果、エアコンの暖房によって室温が上昇すると、部屋は乾燥することになります。
このため、加湿が必要となるわけです。
部屋の湿度はどのぐらいに保てばよいのか?
適切な湿度について考えましょう。
湿度が低すぎると、肌の乾燥、喉の痛み、風邪のリスクが高まります。一方で、湿度が高すぎると結露やカビの発生につながることがあります。
それでは、理想的な湿度は何パーセントでしょうか。
一般的に、室内湿度は40%~60%が適当とされています。
エアコンの暖房を利用している際も、この範囲を保つことが理想的です。
そのためには、加湿が重要です。
しかし、加湿器の選び方や高価な製品について検討中の方も多いでしょう。
加湿器を使用しない乾燥対策とは?
その場合は、まず加湿器を使わずに行える乾燥対策を試すことをお勧めします。
部屋には湿度計を設置しましょう。
湿度計は、100円ショップでも購入可能です。
乾燥対策1:洗濯物を部屋干しする
洗濯物の量によって異なりますが、乾燥する際に水分が蒸発することで部屋の乾燥も防げますので、一石二鳥の効果があります。部屋干しによる臭いが気になる場合は、できるだけ窓の近くや日が当たる場所で干すと良いでしょう。
乾燥対策2:濡れたタオルを室内に干す
さらに簡単な方法としては、濡れたバスタオルをハンガーに掛けておくことが挙げられます。タオルが乾いたら再度水を含ませて吊るすだけで、簡単に湿度調整ができます。タオルの枚数を調整することで、さらに細かく湿度をコントロールできるので、お勧めです。
乾燥対策3:お湯を沸かす
鍋ややかんから出る水蒸気は、乾燥対策に効果的です。室内で鍋料理をしたり、やかんでお湯を沸かしてお茶やコーヒーを楽しむことで、一石二鳥の効果があります。この際、お茶やコーヒーからも湯気が発生し、さらに室内の湿度を保つのに役立ちます。
乾燥対策4:お風呂のドアを開けておく
ワンルームのように浴室が部屋の近くにある場合は、お風呂上がりにドアを開けておく方法が効果的です。これにより、浴室からの湯気が室内に広がり、部屋の乾燥を軽減する効果が期待できます。
乾燥対策5:カーテンに霧吹きで水分を含ませる
部屋のカーテンに霧吹きで水を吹きかける方法もおすすめです。カーテンを閉じて暖かい空気を保ちつつ、霧吹きで水をまくだけで簡単です。蒸発する水分は少量ですが、乾燥対策として効果的です。
乾燥対策6:フローリングを水ぶきする
部屋の床がフローリングの場合、掃除を兼ねて雑巾がけをすると良いでしょう。これにより床をきれいにしながら、同時に乾燥対策も行えます。
乾燥対策7:観葉植物を置く
部屋に観葉植物を置くのがおすすめです。植物は水分を吸収し、葉から蒸発させるため、自然の加湿器として機能します。
まとめ
冬場のエアコン暖房使用時の乾燥対策には、加湿器を用いなくても多くの方法があります。
これらの対策の効果はさまざまですが、興味のある方法から試してみると良いでしょう。
また、部屋の一部に湿気が集中すると、その部分が湿っぽくなり、結露やカビの原因となることもあります。
お風呂からの湯気を利用する場合は、ドアのすぐ近くの壁や天井が湿っていないかを確認することが重要です。
同じく、やかんでお湯を沸かす際には、水蒸気が部屋の一か所に集まらないように中央付近で使用し、壁から離すことが望ましいです。
これらの対策を試す間に、加湿器の購入を検討している場合は、比較しておくこともお勧めします。