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春分の日(しゅんぶんのひ)は、国民の休日としてどれほど認識されていますか?多くの方々が、春の到来を感じる時期として単純に過ごされているかもしれませんね。
ですが、この特別な日にはどのような意義や由来があるのでしょう。2025年の春分の日の日付や、その背景、さらにはこの日に楽しまれる特別な食べ物について、詳しくご説明します。
2025年の春分の日はいつ?
2025年の春分の日は、3月20日(木)です。
春分の日とは?
春分の日は、全世界のどこでも昼夜がほぼ同じ長さになる珍しい日とされています。この日、実は日中の時間がわずかに長いとも言われていますね。
この日が国民の祝日とされたのは、1948年に制定された「国民の祝日に関する法律」によるものです。この法律に基づき、春分の日は毎年3月20日から21日の間で変動し、特定の日に固定されていません。
法律に定められているように、春分の日は太陽が春分点を通過する時を基準にしており、自然を称え、生命を尊重する日として位置付けられています。
春分の日の由来は?
春分の日は、元々「春季皇霊祭」と称されていた伝統的な行事から名前が変更されたものです。春季皇霊祭は、現在も宮中で行われている重要な祭祀であり、春分の日と秋分の日(秋季皇霊祭としても知られています)に年に2回、華やかに執り行われます。
この大祭は、皇居内の宮中三殿で天皇が直接行う重要な儀式であり、その際、御告文(おつげぶみ)が奏上されることが特徴です。春分の日には、過去の天皇や皇族を祀る皇霊殿で「春季皇霊祭の儀」などの祭祀が行われ、多くの皇族がこれに参列します。この日の模様は、テレビなどのメディアで頻繁に報道され、多くの人々が視聴します。
歴史的には、この儀式は日本で非常に重要なものであり、その重要性から国民の祝日として設定されました。この年には、この背景を思うと、心がより引き締まる感じがします。
また、春分の日には伊勢神宮で特別な儀式が行われ、春季皇霊祭の際には拝殿の左側から遥拝するという習わしがあります。日本各地の神社でも春分祭が開催され、遥拝式が行われることが一般的です。これらの慣習から、春分の日が現代の日本人にとっても大切な日であることがわかります。
春分の日の意味は?
春分の日の意味について以下に解説いたします。
(1)先祖を供養する日
この時期は伝統的にお彼岸(おひがん)と呼ばれ、先祖供養の日として親しまれています。2025年の春のお彼岸は、3月17日(月)に彼岸入りし、3月20日(木)の春分の日に中日を迎え、そして3月23日(日)に彼岸明けとなります。この間、数多くの寺で彼岸会という法要が行われるのが一般的です。
特に中日を含む期間は、先祖への感謝の意を示し、墓参りや仏壇の掃除、供物を捧げるのが通例です。また、この時期は自己反省の好機とされ、日々の行いを見直す伝統的な習慣があります。
春分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈む特別な日とされています。浄土宗では、極楽浄土が西方にあるとされ、真西に沈む太陽への礼拝が伝統的な習わしです。この日は、人々が煩悩を払い、真西に沈む太陽に祈りを捧げ、極楽浄土への願いを込める日となっています。
春分の日や秋分の日は、「此岸(現世)と彼岸(あの世)が繋がりやすい日」として位置付けられています。この信念により、これらの日に真西を向いて拝むことで、特別な功徳が得られるとされ、先祖供養が特に行われるようになりました。
(2)自然をたたえ、生物をいつくしむ日
春分は、春の途中に位置する伝統的な二十四節気の一つで、季節の移り変わりを示す大切な指標とされています。この概念は、古代中国から始まり、平安時代には日本でも広く受け入れられていました。農業が中心の社会であった昔は、作物の植え付けや収穫のタイミングを精密に知ることが非常に重要で、季節ごとに細かく区切られた農作業の計画が求められていました。
二十四節気の中でも春分は、農業活動が本格化する時期と重なるため、農作業の始まりとして重要視されています。この伝統は現代でも生活の知恵として受け継がれ、春分は未来の豊かな収穫を願う日として特別な価値があるとされています。
春分の日は、冬の厳しい寒さを乗り越えて新芽を吹き出す植物を見ると、春の到来を感じさせ、私たちの心を弾ませます。そのため、春分の日は自然の素晴らしさを称え、あらゆる生命への敬愛を表現する日として捉えられるのは自然な流れです。日本では春分が二十四節気の一つであり、お彼岸と重なることから、この日は特別な意味を持つと位置付けられています。
春分の日は、どのようにして決まるのか?
日本の国民の祝日のうち、春分の日と秋分の日は年によって日付が変わることが特徴です。春分の日は3月20日や3月21日に設定されることが多く、その正確な日付に疑問を持つ人も少なくありません。
これらの日付は、国立天文台(こくりつてんもんだい)が毎年初めに発表する官報で、翌年の暦要項として公表されます。国立天文台は日本の天文学研究の中心機関であり、二十四節気や雑節の計算を担当しており、その計算結果は暦要項としてウェブサイトなどで提供されています。この情報は、具体的な祝日の日付を知るのに役立つ資料となっています。
春分の日は、何をするのか?
春分の日と秋分の日は、それぞれお彼岸の中日にあたり、この日を中心に前後3日間を含む計7日間がお彼岸とされています。
この期間は、季節の変わり目であり、冬の寒さや夏の暑さからの転換期としても意識されます。春のお彼岸を「春彼岸」、秋のそれを「秋彼岸」と呼ぶのが一般的です。
特に春分の日は、お彼岸の中心日として、先祖への感謝を表す日とされており、お墓参りや仏壇の掃除、供物を捧げるなどの供養活動が行われます。また、この時期は自己反省の機会とされ、日常の行動を見直す伝統的な習慣があります。
春分の日に食べる食べ物とは?
春分の日に特定の食品が決められているわけではないのですが、この日におすすめの食べ物についてご紹介します。
(1)ぼた餅
お彼岸には、ぼた餅を楽しむことが一般的ですが、ぼた餅とおはぎは似ているようで少し違います。これは漢字で書くとはっきりとします。どちらももち米と餡子を用いますが、春にはこし餡を使ったぼた餅、秋には粒餡を使ったおはぎが一般的です。この餡子の違いは、小豆の収穫時期に関連しています。秋に収穫された新鮮な小豆は皮ごと食べられることから、粒餡が選ばれます。
小豆には邪気を払う効果があるとされ、先祖供養の際にも用いられてきました。また、春分の日は自然を讃える日として、旬の食材を取り入れた料理をおすすめします。料理初心者でも簡単に試せる春分の日におすすめの旬の食材を紹介しますので、ぜひ挑戦してみてください。
つくし
春が近づくと現れる代表的な山菜として、ツクシがあります。これは自然に生育する野菜で、和歌にも詠まれるほどです。野原や土手で容易に見つかり、春分の日にはぴったりの食材と言えるでしょう。ツクシはおひたしや天ぷらなど、シンプルな料理法で味わうことができます。
はっさく
「木成り」と呼ばれる果物は、3月の中頃に最適な収穫時期を迎えます。この果物は、サクサクした食感とほんのりとした苦みが特徴です。皮をむいてそのままデザートとして食べるのがおすすめです。
ハマグリ
春のお祝いに欠かせない食材として親しまれているハマグリは、「ひな祭り」のお吸い物にも頻繁に使用されます。この食材は3月から5月にかけて旬を迎え、春分の日にも最適です。ハマグリと菜の花を使ったお吸い物は、春を感じさせる美味しい逸品となります。
桜鯛
春が訪れると、真鯛は淡いピンク色に染まり、「桜鯛」と呼ばれるようになります。この時期の真鯛は、輝く外見が特徴で、春の到来を祝う縁起の良い魚とされています。特に3月は産卵期で、この時期にはピンク色が一層鮮やかになるとされています。塩焼きや煮物など、多彩な料理法でその美味を堪能できます。
ふき、ふきのとう
日本には多種多様な野生の山菜が存在しており、その中でもふきのとうは春の訪れを告げる代表的な山菜の一つです。これはふきの花の蕾で、春の初めに一斉に芽吹きます。新鮮なふきのとうは苦味が控えめで風味豊かです。天ぷらやおひたしとして食べると、その味わいを楽しむことができます。
まとめ
春分の日は、古くから国の重要な行事として様々な祭りが行われ、深い意味や由来を持つ日です。その背景を理解した上で、春の心地よい日差しの下でリラックスした時間を過ごすのもおすすめです。お墓参りは一つの良い方法ですが、人ごみを避けて自然豊かな郊外で過ごすのも素晴らしい選択肢です。